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絵ゴコロと笑ゴコロの。クーのブログ

ゆるいと言えば。(長文)

ゆるいと言えば、

あっしが小学校の頃の話でさあ。

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我が家にはちょっとした古いガレージってもんがあって、
幾分錆びて重い鉄の檻みたいな戸をガラガラガラと開けると、
その中に近所の方の軽自動車が1台。駐車場として貸していたってわけだ。

そのわきにはたいてい束ねられた”読み終わった新聞や雑誌”が積んである。
ガレージが、『周辺ご近所の方が不要な新聞雑誌を置いて行く場所』になっていた。
その束を、通りをはさんだ斜め向かいくらいに住んでいる『紙収集のじいさん』が
定期的に持って行ってくれるシステムになっていた。
手段は自転車だか、とてもシンプルなものだったと思う。
重い鉄の戸がガラガラガラと鳴り響くと、車の出入りか、紙じいさんだな、
という具合だった。
それ以外に、時々やってきたのは、近所の小学生、イシヅカの弟とカズくんだった。
目当ては少年雑誌の漫画。
ガラガラガラと重い戸をそおっと開けると、
(そおっと開けたところですぐにわかってしまうんだけど)
仲良しの二人は、束の上や、
新聞雑誌の横に停めてあるママチャリの後部荷台に座ったりして
楽しそうに、夢中に、漫画を読んでいた。これは暗黙の了解。
大人は時々、気をつけてね、とか、こんにちは、と軽く声をかける程度だ。

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あるとき、ガレージからガターンと音がして、
数時間後、車の持ち主が訪ねてきたのか、車のボディに傷が発見されたことがあった。

その数時間前といえば仲良しの二人が漫画を読んでいる時間だった。
仕方なく、大人が二人のお宅をたずねて、自転車が倒れなかったかどうか
聞くことになってしまい、それぞれにたずねると、案、の、定。
小さい二人は傷に気づいたかわからないにしろ、とにかく
何か事件を起こしてしまったことでガレージから帰っていったようだ。
その後二人は泣きながら、親と共に、車の持ち主のお宅へ
ごめんなさいを言いに行っていたのを覚えている。

それからイシヅカの弟とカズくんがガレージに来ていたかどうか定かでない。
おそらく紙じいさんが亡くなって、それを機にこのシステムは当然のごとく終了した。
まだ地域で協力しあっていた頃、学年問わず子供たちが一緒に遊んでいた頃、
都会もゆるかった。思えば家の鍵なんて夜寝る前までかけてなかったもんね。
許す って心の範囲が広い時代の話。

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これはここまで書いてから知ったこと。
『許す』という言葉は『緩い』と同源語だそうだ。『聴す』とも書く。
そうか、よーく話を聞く、聞き入れるってことだね。
ゆるい ってことはゆっくり自分以外のことを
受け入れられる状態ってことと言えるんだなあ。

むかしの話をしたけれど、今だってあるとこにはある。
今こそ良い意味でのゆるいが必要なんだろうな。
by ku_blog | 2011-05-11 11:13